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2017年2月12日 (日)

何処の○○だ

・・・いや、一人じゃなかったんで。

最近、資料と称して中国物の歴史小説をたくさん読んでるんですが、田中芳樹「奔流」でね。

元々、著者が簫宝寅を捕まえて「ヒルメスのそっくりさん」と言っていたので、興味を持って手に取った小説でしたが。本当にそっくりだ。

小説に関しては、他でもなく著者が「似てる」と思って書いたんだから、余計に似た部分があったとは思います。そして、母国を滅ぼされて敵国に亡命し、その尖兵として戻ってきた男は、歴史上決して少なくは無いと思います。でも、正史にまで「復讐をこととした男」と書かれ、領民たちには公正な君主として慕われていたのに、戦場では復讐に目がくらんでやることが過激になり、下々には付き合いきれない。そのへんはね、ああ確かにヒルメスだなと思いました。せっかく平穏な幸せを手に入れていたのに、最後の最後で復讐に目がくらんで道を誤ったところもね。そんな彼の最後の言葉が「俺は何人だったんだ?」っていうのは、物凄く皮肉で、物凄く痛みを感じる話ですよね。ただ、それでも、この時代に側室なんか一人も要らないと思い切れるくらい愛せる妻に出逢えて、子供に恵まれて、その妻に感謝を告げながら死ねた彼は、ヒルメスより何百倍も幸せだったとは思います。

まあ、史実を調べると、簫宝寅の妻は我が子に殺されますし、三人の子供たちもお互いに殺し合う末路を辿るんですけどね(涙)

で、もう一人、陳慶之。アンタ何処のヤン・ウェンリーですか(爆)

白備えの騎兵隊を率いて数々の電撃作戦を成功させた武将。それだけなら別にいいんですが、本人は武芸も乗馬もからっきしだったって言うのが笑えますよね。で、寡兵を以て大軍を撃破すること多数。たった七千で洛陽を陥落させた挙句、母国から援軍が来ないんでキープ出来なくて撤退してくる。三十万の大軍に追撃されて、十一回戦闘になったけれど、何とか生きて帰ってくる。

そんな、ヤン提督みたいなことする人、本当に居るとは思わなかったよ。

ただ、この小説では陳慶之は茫洋とした人に描かれていますが、実際はけっこう過激な人だったようですけどね。

それはそれとして、小説としてはなかなか面白かったです。ああ、この頃の田中芳樹の筆には勢いがあったな。「風よ、万里を翔けよ」とかも懐かしいなぁ。

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