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2013年6月 1日 (土)

幸福のバレリーナ

WOWOWで放映された、ニーナのドキュメンタリーを観ました。

踊りのクオリティに関しては、断片的なので何とも。そもそもドキュメンタリーのカメラには強めのバイアスがかかっていることが多いので、例えある程度纏まった映像があっても、演技そのものの評価には適さない。

ただ、見えていた限り、私が知っているニーナの踊り方とは、やはり違ってきているな、とは感じました。当然です。50歳だもの。己の肉体を知り、出来ることと出来ないことを見極めて、出来るものの中から最良のものを選び抜き、その持ち駒で踊れる演目を選ぶ。そのために準備をする。それがプロなら、彼女はまさしく、その通りのことをやっていた。そして持ち駒は刻々と変化してゆく。

バレエとは残酷な芸術で、作品を理解出来た頃には肉体の限界が来ているとは、よく言われることです。現に、ニーナのパートナーだったダンサーは、もう誰も、舞台の上には居ません。アンドリス・リエパ、アレクセイ・ファジェーチェフ、フリオ・ボッカ、セルゲイ・フィーリン、そしてアンドレイ・ウヴァーロフ。

その中で、彼女がまだ、あそこに居ることが、既に奇跡的です。

そのことに、思わず感謝を捧げたくなってしまいます。

そのことを、何故か、幸福に思います。

私がニーナの舞台に触れることは、多分もう無いけれど。でも、幸福でキラキラ輝いていた幾つかの舞台を思い出して、浸っているだけで、もう既に、かなり満ち足りてしまう。

彼女はそういうバレリーナです。

結婚以来、バレエからはけっこう足が遠のいていますが、ニーナを観ていて久しぶりに、ああ、バレエっていいなぁと思い直しました。

いつか…ニーナがトゥシューズを脱いだと聞いたら、多分私は、深々と頭を下げて、お礼を言っているでしょう。どっちかよくわからないけど、グルジアの方角を探して。

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