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2013年1月21日 (月)

フィーリンのこと

正直、書こうか書くまいか迷いましたが。

ボリショイの芸術監督フィーリンが襲撃された、というニュースが入ってきたのは、先週末のことでしたよね。

まず、言っておかなければいけないのは、彼が何をしたとしても、これは許されない犯罪だ、ということ。もうひとつ、彼の回復を心から祈ります。

その一方で、背後に彼の仕事に関して軋轢があった、との報道もありましたよね。別にそれは確定情報ではないし、だからといって犯罪を肯定するものでは一切ありません。でも、それでも、「あー、やっぱりなぁ」と思った私も居たんですよ。

フィーリンが芸術監督になってから、随分人が変わりましたよね。ウヴァーロフやツィスカリーゼ、岩田さんといった、長年ボリショイを支えてきたベテランが、みんな居なくなった。将来を嘱望されていたワシーリエフとオシポワも。そして、何故かホールバーグがプリンシパルとして入ってきた。

それぞれの出来事に、それぞれの理由があるとは思います。アンドレイは引退の道を模索していたし、ツィスカリーゼに関しては、言ってはいけないことを言ったと思う。ワシーリエフとオシポワは、新天地で活躍しています。

それから、肩叩きは監督の仕事のうちです。

それでもなおかつ、フィーリンのやり方には、ベテランに対して敬意を欠く面があったと感じますし、これほど人が変わるのは、彼についていけないと感じさせる何かがあったという面が、確かに一部あったと思います。

そしてホールバーグは、良いダンサーではあるけれど、生え抜きのヴォルチコフやスクヴォルツォフを差し置いてまで、新生本劇場のこけら落としに主演するほどのダンサーだとは思わない。それを敢えて引っ張ってきたことに対して、正直私も悪い感情を持ちました。ボリショイに忠誠を誓って上を目指してきたロシア人のダンサーたちが気の毒だと思ったし、ホールバーグは舞台の中で1人だけ浮いて観えましたもの。

フィーリンは素敵なダンサーでした。細やかな足技が美しくて、特にアントルシャは絶品だったと思います。彼の踊りを観ているのは幸せな時間でした。

そんな彼が、監督としてボリショイに帰ってきて、ある意味ボリショイを破壊しているように見えた。それはとても悲しいことでした。

その上にこんなことが起こるなんて、あまりにも悲しすぎる。怒りとか憤りではなくて、本当に本当に悲しい。

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