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2010年1月26日 (火)

絶対貧困

タイトルのインパクトが凄い。石井光太の同名書籍を読んで。

因みに、絶対貧困の定義は1日2ドル以下で暮らしていること。そしてその人口は、この本が書かれた約1年前の段階で、30億人超。つまりこの世界の半分。参考までに1日1ドル以下の人口は、12億人。

そんな彼らの暮らしを「スラム」「路上生活」「売春」の3つの切り口で講義していく形式の本なわけですが、これらのそれぞれについて、私たちが持っているイメージがあると思います。

不潔で悲惨な犯罪の巣窟、とか、最底辺でも懸命に生きている健気な子供、とか。

もちろんそれは、まったくの嘘ではない。そしてもちろん、それだけでもない。

世界のいたるところ、多分西アフリカ以外は殆ど行ったことがあるんじゃないか、という著者です。大概のところで、路上やスラムで人々と交わって、一緒に寝起きしたりしている人です。

そんな彼の口から語られる現実は、やはり悲惨で、混沌としていて、たくましくて滑稽で、辛く悲しく、でも良いとも悪いとも言えない。そもそも彼は、だからこの現実をどうしよう、とまでは言わないんですよね。何故こうなった、とも。ただ、彼の目から見た現実はこうであった、と明るく語る。

やっぱり…惨い現実だと思う。人の命がガラスよりも簡単に壊れていく世界。それを何とも思わずに生きている人たち。何故ならそうじゃないと生きていけないから。そんな状況でも生きていこうとするくらい、人は強くて、悲しい。そして、それでも人はバタバタと死んでいくくらい、弱い。それを、たくましくて健気だなんて言えない。でも、その目線もまた、どうしようもなく「上から」に思えて、立ちすくんでしまいそうになります。

覗いてみてください。本自体は簡単。読み慣れている人なら1時間もあれば目は通せる。

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