偽姉妹スペイン旅行記~バルセロナの長い1日
旅の実質最終日は、とっても長い1日でした。
この日は、朝はゆっくり目に出かけて、午前中は市内観光。
最初の目的地はグエル公園なんですが、ここはちょっと不思議な空間でした。いや、事前に写真とかで見て、知ってはいたんですけど、そういう時に主に紹介される部分(ドラゴンの像とか、バルコニーとか)以外にも面白い場所がたくさんあるし、総体として見た時の不思議さがまたあって。
主に紹介される、青空が似合うカラフルな部分と、公園の中にある建物のポップさと、ごつごとした岩の回廊の厳しい感じと、ギリシャ風の柱が立ち並んだ、バルコニー下。でも、その白亜の柱の部分も、天井を見上げるとバルコニー上のようなカラフルなタイルの装飾があって。
ある意味、期待を裏切らない空間です。敢えて言うなら、期待以上のものは無かった、かな。難しいこと言うなって?失礼しました。
次の目的地はサグラダ・ファミリア。思いっきりの工事現場でした。クレーン何機も動いてるし、中に入れば足場が組んであって、工事の音も響き渡り、まだステンドグラスの入ってない窓枠もあったりして。
ある意味この建物は、私の感じた「スペイン」の「ヨーロッパ部分」を凝縮した感じがします。そのヨーロッパ部分とは、ゴシック+アヴァンギャルド。バロックとかロココとか無くて、中抜きで一気にそこまで行っちゃうんです。この建物はまさしくそんな感じ。スペイン自体には、更にイスラム的な要素が入るんですが、ある意味正面の彫刻の過剰な彫り込み具合がそれにも通じるけど、そこまでは思いすぎかも。
とにかく、色んなものが過剰に詰め込まれた建物です。彫刻、塔、ステンドグラス、その他あれこれ。ガウディ本人も、最初から時間や予算が膨大にかかるのは分っていたみたいで、正面の柱の下には、海亀と陸亀の彫刻が。「ゆっくりでも確実に、工事が進んでいきますように」って。

で、予定では2022年完成だそうですが、おおらかなお国柄でのこと、一体いつになることやら。しかも、正面の彫刻を手がけたのは日本人の方だそうですが、案外外国人の方が、躍起になって工事してそうだなぁ、とか。
因みに内部には完成予想図の模型がありましたが、ぱっと見た感じ、まだ半分しか出来ていなさそうに見えました。
中から上を覗くとこんな感じです。
ここでお昼、メニューはサラダとパン・コン・トマテ、フィデウアのパエリア,、デザートはクレームブリュレ(現地語でクレマ・カタラン。カタルーニャ料理にはフレンチの影響が強いんですって)。パン・コン・トマテはフランスパン風の歯ごたえのあるバゲットに、ニンニクとトマトをすりつけて食べるカタルーニャの定番前菜。あとパエリヤは、お米だけでなくパスタを炊き込むものもあるし、具も地域によって違うみたいですね。ニンニク入りのマヨネーズを和えて食べると、味がぐんと柔らかくなります。
午後からは自由行動。とりあえず偽姉妹は、タクシーでカテドラルに向かいました。バロセロナのタクシーは、黄色と黒の二色に塗り分けられていて、初乗りが2ユーロ。現地のガイドさんも「安全ですから」と薦めるくらい、信頼性は高いそうです。その辺りを幾らでも流しているし、確かに便利~
カテドラルは、ガイドブックでは見学無料とのことでしたが、行ってみると修復工事中で、入場料の徴収もありまして、まあ多分、修復費用調達のためでしょうね。
それはともかく、何に驚いたって、中の撮影が自由だったこと。すくなくとも、カメラは駄目、とはっきり分る表示は無かったし、偽姉妹含め多くの観光客がフラッシュを焚いて撮影していましたが、咎め立てる人は無し。あまりに勿体無い感じだったので、献金箱に心ばかりの金額を入れてきました。あ、日本でもお寺を修復する時、お布施をした人の名前を瓦に刻むシステムがあったりしますが、こちらでは、石1個10ユーロだそうです。
建物自体は、偽妹の好み直球ド真ん中の、重厚なゴシック建築。南国風のパティオが綺麗で、偽妹は売店でロザリオを購入しました。中学・高校時代に使っていたものは、卒業する前後に珠が割れてしまっていたので、ずっと新しいものが欲しかったんです。


内装とパティオ、そしてパティオの池に掘ってあった謎の蛙。近くにはスペインの雀も居ます。
で、偽姉が購入したのは、角度を変えると絵柄が変わるという、子供向けの玩具によくあるようなカードで、絵柄は十字架上のイエス・キリスト。角度を変えると目が開いたり閉まったりするという…日本人の感覚からすると目一杯不謹慎なのですが、よく見たらメイド・イン・イタリーだったし、多分ヴァチカンのお墨付きでしょう、ということで買い逃げしてきました。
カテドラルを出た後は、門前の蚤の市を冷かして遊びました。木製のスキー板とか、古鍵の束とか、よくわからないレコードとか、あるところにはあるものですね。因みに偽妹、ここで一目惚れして、銀のブローチを購入。花のような、十字架のようなモチーフですが、銀細工の透かしが綺麗で、幾つになっても使えるデザインなので、一応頭を冷やすべく、市を一周してから購入。おばあちゃんになっても使えるいいものですが、銀だからお手入れに気をつけよう♪
それからまたタクシーを拾って、今度はカサ・ミラへ。行列はとても長かったのですが、進み具合は意外とスムーズだったので、40分待ちで無事に入場。何というか~…集合住宅なんだけど、ガウディ氏がここで誰にどんな生活を送って欲しかったのか見当もつきませんわ~(苦笑)
外見は、ジブリアニメに出てくるちょっと不思議な洋館風。内装はエレガントな高級住宅。でも、屋上部分は思いっきり正体不明のオブジェが林立。わけわかんなくて面白い♪ 屋上からはサグラダ・ファミリアの工事現場も見えて、個人的にはガウディ建築の中では最大ヒットでした。
入り口、内装、屋上から見下ろした景色、屋上の景色。
因みにホテルはそこから徒歩数分の筈…だったのですが、帰り道で、思いっきり迷子になる偽姉妹。もう夕方で辺りは暗いし、流石に数分行き過ぎた辺りで、不安になる偽姉妹。とりあえず手近なお店に入り、道を聞こうとするものの、こちとらスペイン語は出来ないし、向こうはスペイン語しか出来ないし、コミニュケーションは至難の技でした。
ここで活躍したのが、偽姉が持っていた「旅の指差し会話帳」。必要なフレーズが、見ても楽しいイラストと一緒に書いてある本ですね。これ実は、偽妹が出発前に「絶対要らないよ~」と強調していたものだったんですが、どうやら全面的に偽妹が間違っていた模様です。ありがとう偽姉上~
で、こちらの意図は通じたものの、道を口で説明出来ないお店のおばちゃんは、何とホテルが見えるところまで偽姉妹を連れて行ってくれました。本当に徒歩2分くらいのところで、おばちゃんにしてみれば「何で分らないかしらねぇ」って感じだったかもしれませんが、お商売を放り出してまで、本当にありがたかったです。
因みにバルセロナのイルミネーション。
ここでまたツアーメンバーの皆様と合流し、最後の晩ごはん。地元産のスパークリングワイン「カバ」で乾杯した後は、ハムのコロッケやトマトと山羊チーズのミニトーストなど、恐らく日本人の胃袋にあわせてくれたであろう、適量の前菜の数々が登場。偽妹は基本的に下戸ですが、カバだけは美味しくて、グラス四分の一くらい、いただきました。シャンパンみたいな味わいで、軽やかで飲みやすかった♪(←味だけは酒好き) メインは家鴨の赤ワイン煮で、とろとろのお肉をベリーと林檎の二種類のフルーツソースでいただきました。柔らかくてするーっと胃に溶けてしまう感じで、幸せな食感でした。あ、デザートはプロフィトロールでした。
で、そうこうするうちに、メンバーのうちお1人が、「近くにカタルーニャ音楽堂があって、なかなか素敵な建物だよ」という展開に。そこから希望者だけで、酔っ払った足取りも軽やかに、夜10:00の道を音楽堂へ。ピンクを主体にしたポップな色使いだけど、建物自体はエレガント。中ではコンサートをやっていたため、ロビーまでしか入れませんでしたが、いいもの観た♪ ←幸福な酔っ払い集団。
そして、1日はまだまだ終わらず、ここからタブラオへ行ってフラメンコ鑑賞。サングリアを注いで貰いましたが、これは元々チェリーブランデーがメインのカクテル。一口だけ飲んでみましたが、確かに甘くて美味しい…でも強いんですよね。なので、とりあえず一口だけ。
フラメンコは、友人が習っていたので、発表会でなら生を観たことがありますし、「サロメ」とか「イベリア」とか、フラメンコ映画はたまにWOWOWでやるのを観ていました。
が…やっぱり生は格別! 西洋の踊りって、バレエでも、ワルツやポルカ、ヒップホップなんかもそうですが、エネルギーを四方八方、主に上向きに発散するタイプの踊りだと思うんです。でもフラメンコは違う。溜めて、溜めて、引き締めて、ごく限られた範囲、真上と真下に対して、凝縮して解き放つ印象があります。細くて熾しい、火柱が立つような踊り。そして、どんなに跳んでも暴れても、決して大地から離れず、繋がっている。情念が深く籠もる。それが、能の動きと通じるなーと思いましたね。
行ったタブラオは男性ダンサーが有名なところだそうですが、確かに、冒頭に女性が2人出てきた後は男性が3人立て続け。トリのダンサーが出てきた時には、ステージから吹いてくる風が違ったというか、一目で格の違う人が出てきたというか。この日は激しい踊りだったので早めに終わりましたが、サパテアード(床を打ち付けるあの動きですね)が続くような日だと、日付変更まで長引くこともあるそうです(開始は11:00前)
ここまでで、長い長い1日がやっと終了。すーっごく長い1日ではありましたが、四半世紀ちょっとの人生の中でも指折りに、完璧に近い幸せな1日でありましたとさ。
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